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コミックエッセイプチ大賞 一次審査通過作品&講評

コミックエッセイプチ大賞

全35回を数えた「コミックエッセイプチ大賞」をリニューアルし、
新たにスタートした「新コミックエッセイプチ大賞」も今回で11回目。
たくさんのご応募、ありがとうございました。
ここでは、審査会にて一次審査を通過した全作品の講評を掲載します。

コミックエッセイ編集部では新たな才能との出会いを心待ちにしています。
次回の締め切りは2021年8月末日(消印有効)です。
編集部をうならせる作品をどしどしご応募ください!

BED SIDE STORY

土井春山

深夜に聴くラジオやふと始める落書き、枕元で聴くラジオなど、ベッドサイドにまつわる細々とした小物や日常が丁寧に描かれていた。ドローイングペンならではの魅力的なタッチも審査会で注目を集めたが、イラストエッセイ的な世界観で終わってしまっているので、登場人物の個性とストーリーを掘り下げて、マンガとしての読みごたえを出していってほしい。

ファイトババア

吉澤まゆみ

毎日のささいなイライラや落ち込んでしまう失敗に何とか元気をふりしぼる自分=「ファイトババア」の日常を自虐的に描いており、パンチのきいたキャラ描写と独特のテンポ感には思わずクスっと笑わせられる確かな力量を感じた。ただの日常コミックエッセイというだけではない、際立ったテーマ性を持たせられると、作品としての個性が際立つのではないか。

女職人になったら呪いが解けた

水谷アス

男尊女卑の根深い家庭に育ち、「女性は損をしている」とずっと感じてきた作者が、飛び込んだ工場職人の世界で意識が変わっていくようすを細やかに描いている。ただ、女性性への抵抗感や男女格差への憤り、什器工場という特殊な仕事の解説など、描きたい要素が渋滞していて一つ一つを掘り下げきれていない印象。現代的かつ難しいテーマでもあるので、伝えたいメッセージを整理して、より読者の共感を呼ぶ作品をめざしてほしい。

中学受験マネジメント

藤代ゆうり

少女漫画誌に掲載歴があるとのことで、完成度の高い作画と見やすいコマ割りが光ったが、肝心の作品テーマである「中学受験」についての掘り下げ方が甘く、読者の共感を得られる内容には昇華できていなかった。多くの家庭が頭を悩ませている問題だからこそ、淡々と話を進めるのではなく、参考になる知識や、実際に悩み苦しんだからこそのリアルな描写を入れるサービス精神が欲しい。

徒然ふくちゃん

みのり

猫の可愛らしさや独特の行動は非常によく描けていて好感が持てる反面、飼い主との関係性の表現に、もうひとつオリジナリティを出してほしかった。「猫が可愛い」だけではなく、猫のポージングの表現や、猫と飼い主の双方向のやり取りの末に何を読者に伝えるかを吟味していくと、猫マンガとして一歩抜け出るように感じた。

腹をくくって働く熟女デリヘル嬢の限界日記

はらくくるちゃん

当事者というだけあって、デリバリーヘルス(デリヘル)の実態について分かりやすく表現されていた。一方でデリヘルについての紹介に終始してしまっているため、著者自身がタイトル付けしている「熟女」「限界」というカテゴリとどのようなスタンスで向き合い、仕事をしているのかというところまでは見えなかった。そこが今回の作品のキモであり、読者も読みたい部分ではないかと思うので、次回作で掘り下げてみてほしい。

今も私は恋というものがわかりません…が、

さとうあまた

アセクシャルに気がつくまでの葛藤や相手とのやり取りの機微が非常に上手く描けている。一方、本テーマはとても興味深く、読者の関心もあるが、ご本人がこのカテゴリーに気づいたところでクライマックスとなってしまうのがもったいなく感じた。カテゴライズの先に何があり、どのような生き方へ向かうのか、などの展望を見せられると本作品は読者の共感を誘うのではないか。

まだまだお待ちしております!

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